バブル時期だからこその上品な詐欺師

敷き詰めた1万円札

これはまだバブル時期だった頃、私の父が体験した詐欺です。当時父は不動産会社を経営していて、それも富裕層向けの不動産を扱っていました。お客様も皆さん品の良い方ばかりだったのですが、その中に詐欺師が紛れ込んでいたそうです。詐欺師はまさに好々爺といった感じのお爺さんで、「今長男から連絡があったので運転手を向かわせました。後1時間もすれば来ると思いますので、少し待たせて頂けますか?」と切り出してきたそうです。もちろん父はそれを了承。お茶とお菓子を出して少し談笑していたそうです。

当時父の事務所はスーパーというか、色々と売っているディスカウントストアのすぐ横にありました。そして、「そういえば孫も連れておいでと言ったんだった。少しおもちゃでも見てくるかな、あぁ車に財布を忘れたままだった」と言われて、ニッコリとじゃあこのお金でどうぞどうぞ見てきて下さいと父が渡したのが一万円。上品な好々爺に見える詐欺師は、「いやすみませんね、後で返しますから。じゃあ少しおもちゃでも見てきますね」と言って、そのまま帰ってこなくなってしまったのです。

父が詐欺師だと気付いたのは数時間後。とても品の良いおじいさんで、詐欺師には見えなかったとか。一億円以上の不動産がポンポンと売れた時代、一万円を渡しても特に気にしなかったそう。すごくバブルらしい詐欺師だなぁと思います。今だとなかなかこの手は通じないですよね。

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